口腔ケア製品に含まれている成分
ヒノキチオール
ヒノキチオールは、1936年、野副鉄男博士が台湾ヒノキの精油成分から発見したのが始まりで、1940年に化学構造が決定されました。※1
白色または淡黄色結晶で、わずかに木香がありハッカ状の味を有しています。
ヒノキチオールは抗菌作用を有し、有効成分として0.01~0.2%の範囲で、医薬部外品の薬用歯磨き類に配合されている製品もあります。口腔細菌の増殖抑制や歯肉炎・歯周炎の予防ならびに口臭の防止に効果があるといわれています。※2
カンジダ属などの真菌、緑膿菌、歯周病原性菌、う蝕原性菌などの細菌に対しても抗菌作用を示し、接触時間が長いほど殺菌的に、低濃度では発育抑制的(静菌作用)に働く特徴があります。※3
抗菌活性を示すものの一例
- MRSA
- ガンジダ
- 大腸菌
- 縁膿菌
- 黄色
ブドウ球菌 - 歯周病原菌
- う蝕病原菌
イソプロピルメチルフェノール(IPMP)※4
IPMPは、手指の殺菌・消毒薬や細菌性・真菌性皮膚疾患薬などの医薬品、薬用せっけん、歯磨剤、シャンプー、育毛剤などの医薬部外品や化粧品、 さらに、浴室や部屋の除菌・消臭製品などにも使用されています。 性状はほとんど無味、無臭、無色または白色の結晶であり、水に微溶性、光に対して高い安定性を有するといわれています。 口の中の細菌は、歯面や舌、頬粘膜に付着し、バイオフィルムと呼ばれる菌のかたまりをつくるといわれていますが、 IPMPはバイオフィルム内の細菌に対して殺菌的にはたらき、有効成分として0.02~0.1%の範囲で、医薬部外品の薬用歯磨き類に配合されている製品もあります。 歯肉炎の予防、むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防止に効果があります。※2
IPMPは図のようにバイオフィルムの奥まで浸透していると考えられています。細菌のかたまりであるバイオフィルムは表面にマイナスイオンが帯電していまが、IPMPは、プラスやマイナスの電荷を持たない非イオン性であるため、バイオフィルムの奥まで浸透し、その内側の菌に対して殺菌力を発揮すると考えられています。※5
ヒアルロン酸ナトリウム
ヒアルロン酸ナトリウムの構造は、N-アセチル-D-グルコサミンとD-グルクロン酸の二糖が繰り返し結合した直鎖状の多糖類(糖の仲間)で無色透明無臭の物質です。
ニワトリのトサカや乳酸球菌を発酵して得る方法などを用いて生成されていますが、ヒトの体内においても細胞の間に高分子として多く存在しており、皮膚の潤いを保持したり、間接周辺において潤滑、緩衝作用などのはたらきを担っています。
高い粘り気や弾性(元に戻ろうとする性質)があること、水をたくさん保持できる等の特徴を活かして、保湿を目的として食品や化粧品、医薬部外品、医薬品など幅広く使用されています。
ヒアルロン酸ナトリウムが配合されている当社製品
- ※1岡部敏弘 他:フレグランスジャーナル,1989 ; 17(2) : 74-79
- ※2厚生労働省医薬・生活衛生局長 薬生発 0628 第13号(令和3年6月28日)
- ※3岡部敏弘 他:ジャパンフードサイエンス,1989 ; 28(4) : 49-58
- ※4監修 / 髙麗寛紀 高鳥浩介 : 最新の抗菌・防臭・空気質制御技術, テクノシステム 2019 : p22-23
- ※5竹中彰治 他;DH スタイル,2007;1(12):23